爬虫類は一般的に長生きする生物なので、長く一緒にいられる可能性が高いです。その一方で、飼育することが比較的容易なものからとても繊細でコストがかかるものまで爬虫類の種類は様々です。
今回は、そんな爬虫類の飼育における必須アイテムとも言える「ライト」について、おすすめの商品をご紹介いたします。また、なぜ爬虫類の飼育にはライトが必要なのか?そもそもどんな種類があるのか?そうした疑問にお答えいたします。
なぜ爬虫類にはライトが必要なのか?
爬虫類といえば、ライト…では、なぜそのライトは必要なのでしょうか。ライトの種類と役割は大まかに3つに分けることができます。第一に、「紫外線ライト」です。
紫外線には、UV-A/UV-B/UV-Cの三種類があります。
このうち、爬虫類にとって最も重要なのはUV-Bです。なぜなら、爬虫類はこの紫外線を皮膚に浴びることによってビタミンD3を合成するからです。ビタミンD3とは、生物がカルシウムを摂取するためには不可欠なもので、爬虫類にとっては骨や爪、甲羅など身体を守る部分を健康に維持するために必要不可欠な物質なのです。そのため、爬虫類を飼育する人はUV-Bの紫外線を発するライトを設置してあげなければなりません。
また、UV-Bの強さはライトによって違うので、飼育したい爬虫類の生育環境などを調べて適切な紫外線の強さに調整してあげましょう。ちなみに、UVAは特定の爬虫類にとっては可視光と同じ働きをしたり、細胞の機能を活性化させるそうです。
最近ではUVAとUVBをどちらも照射するライトが増えてきました。
第二に、「赤外線/保温ライト」です。
赤外線は、物質を温める効果があります。爬虫類は変温動物なので、自分で体温調節ができません。
そのため、生育地域と異なる環境に適応してもらうには、ケージの中の温度を一定に保ちつつその中に温度勾配を作ってあげる必要があります。そうすれば、爬虫類は自分にとって快適な場所を選んで過ごすことができるのです。そのため、爬虫類を飼育する時はバスキング(=日向ぼっこ)用のライトも設置してあげるとよいでしょう。
ライトが爬虫類の身体の大きさに対して小さすぎると爬虫類は身体全体が温まるまで居座ってしまい、皮膚に火傷を負ってしまったりするのでライトの照射範囲をチェックしておきましょう。
第三に、「可視光線ライト」です。
私達が生活するときに欠かせない可視光線ですが、実は爬虫類にとっても必要なものなのです。
爬虫類は、太陽が上って沈み、また上るまでの間隔を感じながら自身の活動レベルや生理機能を調節しています。そのため、爬虫類のケージの中にも一定の間隔で明るい時間と暗い時間を作る必要があるのです。
可視光線が出るライトの多くは、紫外線を発することはないので専用のライトを購入し併用しなければなりません。
お気づきかもしれませんが、これらのライトは爬虫類にとって「擬似的な太陽」を作り出すためのものです。
爬虫類を含め自然の中で生きる生物にとって「太陽光」はたくさんの役割を果たしています。しかし、部屋の中で飼育される爬虫類は外にいるときほど太陽の光を浴びることができません。
そのため、飼育の際は太陽光の下で暮らしているのとよく似た環境をケージの中に作ってあげる必要があります。
ライトの種類と選び方
爬虫類の飼育には3種類の「光」が必要な理由はみなさんおわかりいただけたと思います。では、実際に販売されているライトの種類とその特徴について見ていきましょう。
○白熱灯…可視光線+赤外線
白熱灯から照射される赤外線は副次的なものですが、熱や光が拡散することなく狭い範囲を集中的に照射することができるので、バスキングスポットづくりにおすすめのライトです。一般的な白熱灯では可視光線が強いため夜間の利用には不向きですが、夜間に利用することを目的として赤系や青系の光を発する電球も販売されています。
◯ハロゲンランプ…可視光線+赤外線
白熱灯よりも寿命は短いですが、光の強さはどちらも白熱灯より強力で、上位互換のライトと言えるでしょう。
○蛍光灯…可視光線のみ
可視光線のみに特化したライトです。白熱灯よりも太陽光に近いスペクトルのものが販売されているので、昼間の利用がおすすめです。
○UVB蛍光灯…可視光線+紫外線
その名の通り紫外線を発する蛍光灯です。紫外線の強度が上がるほど可視光線は弱くなるので、昼間に利用するのであれば可視光がもっと強力なライトと併用することがおすすめです。発熱が少ないので、保温機能の高いライトと合わせて使いやすいとも言えるでしょう。
○水銀灯…可視光+紫外線+赤外線
紫外線量が多く、光が強く、寿命も長い…兼ね備えた機能だけを見ると、これぞ完璧と言った感じのライトですが、紫外線がパワフルすぎて微細なコントロールができません。そのため、小さいケージなどで飼育する場合には不向きです。
◯メタルハライドランプ…可視光+紫外線+赤外線
水銀灯と同じく紫外線量も多く明るいので、このランプがあれば(爬虫類の種類にもよりますが)あとは加温機能をもつライトなどを買い足せばよいのでは?という高性能ライトです。
ただし、お値段が非常に高く、手を出しづらいとも言えます…。ライトの寿命は長いので、長く使うというのであれば腹を決めて購入するのもありかもしれませんね。
【番外編】赤外線を発しているものも「ライト」とすればライトと呼べる?
◯セラミックヒーター…赤外線のみ
赤外線を広範囲に照射してくれるので、昼間・夜間を問わずケージ全体の保温をするのに向いています。寿命も長いので、一度購入すれば数年は使い続けられますよ。
爬虫類の飼育におすすめのライト8選
1.1つで3役の電球型UVB蛍光ライト-Evergreen Pet Supplies 100 Watt UVA UVB Mercury Vapor Bulb/Lamp/Light
2.ケージ全体を照らせるUVB蛍光灯-Zoo Med Repti Sun 10.0UVB
3.温度測定機能付きの赤外線ライト-Zacro Reptile Heat Lamp 150W with One Digital Thermometer
4.バスキングスポットづくりにも使えるセラミックヒーター-BYB Ceramic Infrared Heat
5.温度と湿度の管理をしながらケージを照らす- Exo Terra Compact Incandescent Fixture
6.優しい光のコンパクトUVB蛍光灯-Exo Terra Repti-Glo 5.0 Compact Fluorescent Full Spectrum Terrarium Lamp
7.水槽用のマルチライト-Zoo Med Aquatic Turtle Uvb & Heat Lighting Kit
8.オールインワン型のUVBライト-Aiicioo/UVA UVB Mercury Vapor Bulb – 100W
まとめ
爬虫類の暮らしについて、少し想像できたでしょうか?暖かくて日当たりのいいところにおいてあげられれば一番いいのですが、お家によってはあまり日が当たらないところもありますよね。
まだ飼育している人は少ないかもしれませんが、爬虫類は注目されつつあるペットの1つです。もし飼うことを決めたら、大切に育ててあげてくださいね。