また、ヘッドホンと接続すれば、音の気になる夜、壁の薄いワンルームでも快適に懐かしい音楽を聞くことができますし、PCに接続することで、幅広く将来、本格的にLPレコードの世界を体験することができます。
ただBluetooth対応のレコードプレイヤーは、しっかり機能を確認してから購入しないとイメージして音楽を流すことができません。 今回は、Bluetooth対応のレコードプレイヤーの選び方のポイントからおすすめの製品を厳選して紹介するのでぜひ、参考にしてください。
Bluetooth対応のレコードプレイヤーの選び方
Bluetooth対応の製品は、スピーカー内蔵型のレコードプレイヤーに比べてアンプ内蔵スピーカーを用意することで、かなり本格的な音を楽しむことが出来ます。さらにBluetooth対応だと、オーディオラックやスピーカースタンドとも接続できるので、後々ホームシアターを含めた全く別次元のオーディオで音を楽しめることは請け合いです。そんなBluetoothの機能ですが、送信型と受信型で機能性は大きく異なります。
受信型
受信型のレコードプレイヤーは、スピーカーが内蔵(一体型)されていて、スマートフォンや音楽プレイヤーにBluetoothで接続することで音楽をかけることができます。最近ではおしゃれなインテリア、ステレオとして人気を集めていますが。スピーカー、アンプなどの機能を1台で完結するので、音楽を高音質で楽しみたい方には少し物足りないかもしません。
送信型
送信型レコードプレイヤーは、基本的に機器単体で音を出すことができません。レコードプレイヤーとは別に、Bluetooth対応のスピーカーやアンプ、ヘッドフォンを用意する必要があります。そのため、より良い音質を求める方や、PCで録音や編集を行いたい方には送信型の製品がおすすめです。また、将来音質を高めるグレードアップに対応できる製品を選ぶことが出来るので、末永く楽しむことができます。
ネット通販で「Bluetooth対応製品」と書いてあっても、それが受信側なのか送信側なのかがわかりにくいことが多いです。
説明文に「スマートフォンを接続・・・」など、スピーカー以外の機器が例に挙げてあれば「受信側」、「外部スピーカーやヘッドフォン・・・」など音が出る機器が書いてあれば「送信側」と判断できますが、わからない場合にはメーカーやお店に直接確認するようにしましょう。
Bluetoothのバージョン
Bluetoothには、実は様々なバージョンがあります。最新の5.xですが、まだそれほど普及しておらず、以前の規格の4.xもしくは3.xが主流です。オーディオで用いるにはどのバージョンでも問題ないのですが、接続しようとしている2つの機器のバージョンには気を付けなくてはいけません。以下の表を参考にして接続できるレコードプレイヤーを選んでくださいね。
バージョン | 4.x | 3.x |
5.x | ○ | ○ |
ハイブリット(3.x & 4.x) | ○ | ○ |
4.x | ○ | ☓ |
3.x | ☓ | ○ |
5.おすすめのBluetooth対応レコードプレイヤー3機種
Bluetooth対応のレコードプレイヤーは受信側と送信側がありますが、ここでは末永く楽しめる機種をおすすめするため、送信側の製品を紹介します。ION Audio Air LP
参考価格 | 12,700円 |
Bluetoothバージョン | 3.0 |
大きさ(W×D×H) | 406×356×114mm |
重量 | 約3kg |
付属カートリッジ | セラミック型 |
カートリッジ交換 | 不可 |
フォノイコライザー | セラミック型カートリッジのため不要 |
外部出力端子 | RCA、USB、ヘッドフォン(ステレオミニジャック) |
外部入力端子 | ステレオミニジャック |
仕上げ(色) | ピアノブラック(Air LP)、天然木(Air LP WD) |
Bluetooth対応のコンポ型レコードプレイヤーとしては最安価な製品です。しかし、機能は充実しており、USB端子でPC等に接続することも可能ですし、ヘッドフォン端子で有線のヘッドフォンを使うことも出来ます。
また、外部入力端子があるので、カセットプレイヤーを接続して、BluetoothやUSBでPCに接続し、デジタル音源化したり、テレビのヘッドフォン出力を接続して、このプレイヤー経由でBluetooth対応スピーカーから音を出すことも出来ます。
レコードプレイヤーとしては最も簡素な構造で、プラッターは直径20cm程度で、レコードの端は浮いてしまいます(演奏には問題ありません)。カートリッジは交換不可で、セラミック型という簡易的なものです。
ちなみにこのプレイヤーを将来オーディオアンプに接続するときは、Phono端子(レコードプレイヤー用の端子)には接続せず、Line端子など、通常の端子に接続してください。
仕上げも2種類あり、ピアノブラックは高級感、天然木はカジュアル感があるので、お部屋の雰囲気に応じて選べます。
価格も一体型と同じぐらいなので、Bluetooth対応スピーカーを用意する予算があれば、とりあえずこの機種からレコードプレイヤーのある生活をはじめてみるのも良いのではないでしょうか。
TEAC TN-400BT
価格はION Audioの4倍近くと高価ですが、内容はそれ以上に充実した、本格的コンポ型レコードプレイヤーです。現代的でスリムなデザインながら、伝統的な大型プラッター、フルサイズのダストカバー、精緻なトーンアームなど、所有する喜びを得られる仕上げになっています。
機能も充実しており、USB端子からのデジタル音源化は高音質で、本格オーディオで再生しても満足できるものです。ユニバーサル型ヘッドシェルなので、将来カートリッジ交換をして楽しめますが、付属のカートリッジがオーディオテクニカの製品版なので、当分はこのまま十分楽しめると思います。
もちろん、上級のカートリッジを装着すれば、その能力を十分に引き出すでしょう。
本当はオーディオアンプと組み合わせたいところですが、組み合わせるBluetooth対応スピーカーは出来るだけ大きく、予算が許す限り上質なものをおすすめします。
ヘッドフォンもインナータイプより大型のハウジングタイプが良いと思います。末永く楽しめる良い製品だと思います。
参考価格 | 44,980円 |
Bluetoothバージョン | 3.0 |
大きさ(W×D×H) | 420×356×117mm |
重量 | 約4.9kg |
付属カートリッジ | audio-technica AT95E(VM型(MM型と同等)) |
カートリッジ交換 | 可能(ユニバーサル型ヘッドシェル) |
フォノイコライザー | 内蔵、スルー切り替え可能 |
外部出力端子 | RCA、USB |
外部入力端子 | なし |
仕上げ(色) | 木目 |
YAMAHA MusicCast VINYL 500(TT-N503)
今回おすすめする製品の中で最も高価ですが、機能、音質とも本格オーディオにふさわしい製品で、例えるなら高級一眼レフカメラのような位置づけです。まず目を引くのが「ピアノのヤマハ」にふさわしい、美しいピアノブラックの仕上げです。直径30cmの大型プラッター、キャビネットいっぱいの長さのロングアームと共に、10年使える品質と満足感を備えています。
機能的には極めて多機能で、Bluetoothだけでなく、Wi-Fiや有線LANにも対応しており、ネットワークプレイヤーとしての機能もあります。インターネットに接続することにより、レコードだけでなく、世界中のインターネットラジオを聴くことが出来るので、高音質で1日中音楽に浸ることも可能です。
もちろん、家庭内ネットワークのPCやNASに保存してある音楽ファイルにもアクセス可能で、それらの操作は専用アプリを使ってスマートフォンから行うことが出来ます。
MM型カートリッジが付属しており、必要十分な性能ですが、このクラスのレコードプレイヤーになると、むしろ積極的にカートリッジを交換して、音の変化を楽しみたくなります。
ただ、残念なことにヘッドシェルが専用品なので、市販のヘッドシェルを使うことは出来ません。それを差し引いても魅力にあふれたレコードプレイヤーなので、ボーナスの使い道の候補にするの相応しいと思います。
参考価格 | 73,629円 |
Bluetoothバージョン | 4.2 |
大きさ(W×D×H) | 450×368×136mm |
重量 | 約5.7kg |
付属カートリッジ | MM型 |
カートリッジ交換 | 可能(専用ヘッドシェル) |
フォノイコライザー | 内蔵、スルー切り替え可能 |
外部出力端子 | RCA(Phono、LINE各1) |
外部入力端子 | なし |
仕上げ(色) | ピアノブラック |
Bluetooth対応レコードプレイヤーのまとめ
Bluetooth対応(送信側)レコードプレイヤーは、本格的な音を手軽に楽しめること、デジタル音源を作成できることなどから、今後も人気が広がることが予想されます。Bluetooth対応スピーカーで楽しまれる方が多いと思いますが、レコードプレイヤーの自然な音の広がりを楽しむためにも、是非左右2本のスピーカーを使うタイプを選んでください。左右が一体化したタイプだと、音のスケール感が得られにくいのです。レコードプレイヤーにはレコードを清掃するクリーナーや針先を掃除するブラシなども必要です。これらも少しずつ買い足して、操作する楽しみを堪能してください。